コラム

コラム「グローバル連結経営管理を考える」

グローバル連結経営管理を考える 中澤進  ビジネスブレイン太田昭和 会計システム研究所 所長 日本CFO協会 主任研究員

失われた10年が、20年となり、いまや30年という声が聞かれるようになった。
そのような時代背景の中、経営管理の仕組みは、その投資効果が不明確なため、多くの企業で新たな取り組みがなされていない状況にある。
ところが、昨今、企業を取り巻く環境はグローバル化というキーワードの下、はげしく大きく変化しつつある。多くの企業が、新たな価値観をベースとした企業運営へシフトしなければいけない状況にも関らず、従来の価値観をベースにした精緻な経営管理・管理会計の業務プロセスとITシステムがかえって経営改革の足を引っ張る状況となっている。
そこで、日本企業が取り組み必至のグローバル連結経営管理の仕組みの再構築にあたり、ポイントとなるべき点について5回にわたり解説をする。
この論点は当たり前の事であるが、”グローバル”、”連結”、”経営管理”と3つの要素を包含している。そこで、このコラムにおいては、まず”グローバル化とは”を整理し、グローバル時代に求められる”経営管理”すなわち”管理会計”の再定義を行ない、グローバル化の大前提となる”連結ガバナンス”とは、本来どうあるべきか、そして、最後に、まとめとして”日本企業としての取り組み”を解説する。

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著者プロフィール

中澤進

中澤 進

ビジネスブレイン太田昭和 会計システム研究所 所長
日本CFO協会 主任研究員

IBMコンサルティンググループに所属し、製造業、流通業を問わず経理・財務部門の業務改革、管理会計、内部統制分野でのコンサルティング及び会計システムプロジェクトの実績多数。 2002年10月よりIBMビジネスコンサルティングサービス(株)取締役フィナンシャルマネージメントリーダーに就任、2006年12月退任後、2007年1月より中澤会計情報システム研究所を設立、2007年12月アロウズコンサルティング顧問に就任、2008年2月ビジネスブレイン太田昭和 会計システム研究所長に就任。 日本CFO協会主任研究員も兼ねる。 「ダイヤモンド・ハーバードビジネスレビュー」「日経ビジネス」「CFO協会誌」「旬刊経理情報」等への寄稿、近著『欧米企業から学ぶグローバル連結経営管理』(中央経済社) 、『包括利益経営-IFRSが迫る投資家視点の経営改革』共著(日経BP社)

関連書籍

欧米企業から学ぶ グローバル連結経営管理

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(ビジネスブレイン太田昭和[監修]中澤進・倉林良行・岩﨑啓太[編著]/中央経済社発行)

現状、日本企業で稼働している連結経営管理のしくみは連結の歴史の浅さゆえに、制度対応の延長線上に位置付けられたものといっても過言ではありません。また、デジタル管理の基盤となる管理会計のしくみも、経営判断あるいは情報開示に直結したものであるとは言い難い状況です。このような日本企業が持つ課題を見直すきっかけとして、IFRSという欧米企業文化を背景に持つ会計基準は極めて有用です。たとえば、連結経営管理のしくみ構築にはIFRSの持つ単一企業体という連結概念が、またボーダレス・ダイバーシティー対応のためのデジタル管理の基盤構築に対しては、IFRSが要請する会計基準の統一や決算日の統一の考え方が活用できます。  本書は、日本企業と欧米企業の連結経営管理のしくみの相違点を明らかにしながら、計画管理、投資採算管理、連結ガバナンス、事業セグメント、業績評価基盤、連結原価管理、CMS、為替リスク管理、税務戦略、IT基盤等の論点を解説しています。

包括利益経営 ~IFRSが迫る投資家視点の経営改革~

包括利益経営 ~IFRSが迫る投資家視点の経営改革~
(ビジネスブレイン太田昭和 会計システム研究所 所長・アロウズコンサルティング 顧問 中澤進 公認会計士 石田正[共著]/信越化学工業 顧問・前金融監督庁 顧問 金児昭[監修]/日経BP社発行)

本書は両筆者の事業会社での実務経験に基づいた視点から、そもそも、日本企業が解決しなければならなかった課題がどのようなことで、IFRSをきっかけとしてどのように対応していくのが適切であるかを解説したものです。勿論、経営者がIFRSの本質を理解する上で欠かせない包括利益・公正価値などについて、実務的な視点や歴史的な背景にも焦点を当て、会計の専門知識がなくても理解できるようにわかりやすく紹介しています。