DXという言葉が世の中に浸透した現在ですが、そもそもDXとは何なのでしょうか。そして人事部門においてDXはどのような効果をもたらすのでしょうか。その理解ができていないまま、経営層のDXという指示のもとでDX施策を進めてはいけません。今回は人事部門におけるDXについて記載したいと思います。
まず、DXという言葉の意味を正しく理解しているでしょうか。DXとよく並べられて聞くDigitaizationとDigitalizationを比較し解説します。まずDigitaizationは、アナログとして運用していたものを局所的にデジタル化することを意味します。普段使用しているものをデジタルへ変化させることです。人事関連で例えると、評価表をExcel化することなどです。次にDigitalizationはプロセス自体をデジタル化することです。先の例を引用するならば、評価表だけでなく評価プロセス自体をデジタル化することです。これについては多くの企業でSaaS型の評価ツールを使用しているのではないでしょうか。
最後にDXです。DXとはDigital Transformationを指し、意味はデジタルを用いてビジネスを変革することです。この解釈を間違うと、システムのリプレイスという行為がDXという認識にすり替わってしまいます。
DXはアナログ業務をデジタル化することではありません。その行為は前述したDigitaizatonとDigitalizationです。その導入効果を用いて、どのようにビジネスを変革させるかがDXという意味です。つまり、DXは手段ではなく目的です。人事部門に置き換えたとしても、その認識はブレることはありません。デジタル化したことで得られる工数や集約された情報をどのように活かすかをゴールにし、人事部門におけるDX施策を検討していきましょう。
では本題です。人事部門でDXを推進していくうえで必要な人財についてです。DXとは目的であり、その手段がDigitaizatonとDigitalizationです。つまり目的の明確化こそがカギになります。この前提を考えると、ITに詳しい人財は必要ありません。いかに自社ビジネスを俯瞰し、目標のために必要な人事部門の役割を見出せるかが重要になります。私の周りでは、元SEをDX化のための人財補強で中途採用している企業(人事部)がありました。実際に獲得した人財はSE歴3年程度の若手です。入社後はリーダークラスで活躍予定とのことですが、私はDX化が成功する可能性は低いと考えます。なぜなら、その獲得した人財は人事部での業務経験がないからです。
ITに詳しい人財はITベンダーで賄えます。プロに任せましょう。それよりも、目標を達成するための人事戦略部分が重要です。目的を達成するための自社分析こそ、DXにおけるキーポイントになり得ます。自社分析こそ、従業員である人事部を含め、現場リーダー層の協力で実行が可能です。ITという手段にとらわれず、DXという名の目的達成を念頭に置いてください。そのうえで足りない部分、IT領域の知見や、評価や報酬といった人事領域の知見は外部を活用してください。繰り返しますが、DX化のファーストステップは目的の明確化です。自社の理解がある人財は自社社員です。目的とリソースの役割を大切に、DX化施策を進めることをお勧めします。
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