背景

グループ経営の中で、海外移管が進み海外での資金需要が拡大する中で、連結資金管理の重要性が増しています。しかし、以下のような問題があり、連結資金管理がうまく機能していないという状況があります。

  1. 年度資金計画、月度資金繰り計画の作成がExcelベースで「多大な工数」

  2. 年度予算と年度資金計画の「整合性」の確保が困難

  3. 「資金計画、資金繰り計画の根拠がバラバラ」で、内容分析が困難

  4. 流動性を確保するために、無駄な借入(余裕を持った借入)が発生

連結資金管理の狙い

グループ経営の視点から「整合性をもった連結予算管理」を実現するためには、会社の状況にもよりますが、改革を進めることにより、以下の狙いを実現することが期待されます。

  1. 予算と整合のとれた、単体年度資金計画~連結集計

  2. グループ各社の資金計画根拠の見える化

  3. 資金計画前提を活用とした、効率的な資金計画の見直し

連結資金管理のフレームワークと構築アプローチ

グループ経営を支える新たな連結資金管理の仕組み作りが必要となっています。

1.連結資金管理のフレームワーク

資金効率を上げ、資金の偏在に伴う無駄な借入を減らしていくためには、グループ会社の資金計画と連動した連結資金計画をたて、長短の資金調達計画を作ることが求められます。そして、グル―プ各社の資金計画の精度を向上するためには、売上、仕入、費用支払等のPL予算との連動化を行うことが必要になります。また、経営環境の変化が著しい昨今においては、年度計画だけではなく、グループ各社の月次資金繰り計画と連結資金繰り計画の連動化を実現することも必要だと考えられます。

連結資金管理のフレームワーク

2.連結資金管理構築のアプローチ

資金管理の目指すべき姿は、企業の組織構造、資金管理方式によって異なります。そのため、現状把握の上で、その会社の連結資金の「目指すべき姿」を定義し、実現化を行います。