背景

移転価格税制への対応、為替リスクの集中化のために、本社で商流仲介を行っているケースが多くあります。また、ライセンス料支払い、役務提供の支払い等、非貿易取引も多くあります。そのため、本社とグループ会社間の取引が多く存在します。しかし、以下のような問題があり、内部取引に関わる業務が煩雑化するとともに、膨大な工数がかかっているという状況があります。

  1. グループ会社と請求書を毎月メールやFAXでやり取りし「多大な工数」

  2. 内部取引の照合、資金決済に「膨大な工数」

  3. 連結決算の内部取引照合時に、「多額の突合差額」が発生し、内容分析・調整に「多大な工数」

内部取引管理の狙い

グループ経営の視点から「整合性をもった連結予算管理」を実現するためには、会社の状況にもよりますが、以下の改革を進めることにより、以下の狙いを実現することが期待されます。

  1. 内部取引の照合・決済の効率化

  2. 連結決算時の内部取引の突合差額の僅少化

内部取引管理のフレームワークと構築アプローチ

これまで情報化の柱がERPでしたが、内部取引のように法人を超えた取引の管理には対応できていません。そのため、内部取引管理の仕組み作りが必要となっています。

1.内部取引管理のフレームワーク

内部取引の管理には、大きく3つのアプローチがあります。

  • ①インボイスベースで照合する。
  • ②仕訳レベルで照合する。
  • ③残高ベースで照合する。

3つのアプローチの違いは、取引発生段階で取引の認識をあわせる(①)方法と会計仕訳をベースに事後に差額を発見する(②、③)方法の違いがあります。内部取引の対応アプローチを選択する必要があります。
図示したのは、①のアプローチで、この方法は、差異を発生させない仕組みと言えます。また、この方法を採用した場合、連結会計向けの内部取引消去データの自動生成が可能になります。

内部取引管理のフレームワーク

2.内部取引管理構築のアプローチ

内部取引管理の目指すべき姿は、会社の方針、グループ会社のシステム環境よって異なります。そのため、会社の方針・意向を確認した上で実現化を行います。