
ヤマハ発動機株式会社様
デジタルツールガイドライン策定
RPAのEUDを促進するガイドラインを策定 半年で約300時間、累計1万時間超の効率化を実現

お客様プロフィール
ヤマハ発動機株式会社
- 設立:1955年7月1日
- 本社所在地:静岡県磐田市新貝2500
- 従業員数(連結):51,243人(2021年12月末現在)
- 事業内容:輸送機器、精密機器、機械、その他製造

RPAのEUD 抱えていた3つの課題
ユーザー支援の知見
これまでのRPA開発は、IT部門が各部門の依頼を受けて行っていたため、一般社内ユーザーの開発支援について新たな知見を必要としていた。
IT統制の維持
EUDに自由度は持たせつつも、IT統制の対象となるシステムを操作するようなRPAが開発されるのは回避したかった。
野良ロボットの防止
管理されずに使われなくなる「野良ロボット」の発生を防止するため、各部門におけるEUDの状況はしっかり把握したかった。
EUD…End User Developmentの略。エンドユーザーが自らシステムを開発すること。
BBSの提案・サポート

導入効果
ユーザーにわかりやすい構成と表現でEUDが進み、
リリースから半年で約300時間の業務負荷を削減
活用部門のニーズを第三者の視点で調整・反映
IT統制を維持しながらEUDを促進
業務改善に向けたコミュニケーションが活発になり
各部門におけるDXへの取り組みが加速
概要
EUDに関するガイドラインを策定し、全社でDXの取り組みを強化
各部門の依頼を受け、IT部門でRPA開発を進めてきたヤマハ発動機様。多くの成果によって新規依頼件数が増加するなか、IT部門が注目したのが「EUD」だった。同社ではさらなる成長をめざし全社でDXを推進しており、RPAの活用に積極的な部門からは「開発を支援してほしい」という声が寄せられていた。そこでIT部門では、EUDの促進に向けてガイドラインの策定を決定。BBSは、IT部門が2019年にRPAガイドラインを策定した時と同様に具体的なプランを提案した。IT統制を維持しながらEUDの範囲を最大化するため、複数の部門へヒアリングを行い、それぞれのニーズを第三者視点で緻密に調整・反映してガイドライン策定を支援した。運用開始に合わせて社内特設サイトや個別の説明会を通じて全社に発信。こうした取り組みによってEUDが進み、リリースから半年で約300時間の業務効率化が実現し、2022年6月末にはEUDを含めたRPAによる業務効率化の効果は累計1万時間を超えている。今、同社ではRPAの枠を超えた業務改善へのコミュニケーションが活性化しており、BBSのさらなるサポートも期待されている。
BBSのデジタルツールガイドライン策定を選定したポイント

デジタルツールガイドライン策定⸺その3つの特長
1
現場密着の知見から「わかる」表記を採用
2
実装実績に基づき「失敗しない」実用性を担保
3
オリジナルの「適用・定着計画」を提供
システム開発に関するガイドラインは、テンプレートをネット上などから無償で手にすることができます。しかし、テンプレートを自社の業務にそのまま適用しようとしても、使われない、使えない“無駄なガイドライン”になりかねません。
EUD・保守の現場の生の声を知っているBBSは、そうした声やRPA開発の知見・実績を活かし、非ITの現場部門が理解できる“使えるガイドライン”を策定します。失敗・問題プロジェクトの立て直し経験から、「やっておけばかった!」というヒントを論点として整理。各部門へのインタビューでガイドライン適用・定着に向けた障害を分析し、処方箋となる活動計画も作成します。
現場主導と一元統制のメリットを活かしたハイブリッド型ガイドライン
現場主導型 ↔ 一元統制型のどこかに、自社に合うモデルがあります。
BBSでは、まずハイブリッド型をベンチマークとして、理想型を仮説として設定。次に、インタビューや討議を通じて、ガイドラインの構成や記述のフィッティングを行います。最後に、最終型に到達するまでの道のりを活動計画として整理します。

ガイドラインの主な定義項目
各部門の役割分担 | IT部門とEUD実施部門、RPAベンダーなどの役割 |
プロセス判定フロー | 新規プロセスの申請、修正などのフロー |
開発ヘルプデスク | EUDのサポート体制 |
ロボット管理 | ID、ロボットのバージョン、スケジュールの管理ルール |
トラブル・故障対応 | 問い合わせや改修のフロー、トラブル・故障時の情報共有方法 |
EUDルール | EUDにおけるセキュリティ対策、リリースのルール |
報告会 | 定例報告会の目的、種類、開催頻度、報告内容、参加者など |
ガイドライン改訂手順 | 改訂・承認フロー |
開発手法選択指針 | EUDでやっていいこと/いけないこと、EUDに適した業務、 センター開発に適した業務 |
お客様の声
ニュートラルな立場からの的確な提案に期待
BBSには以前、IT部門が運用するRPAガイドラインの策定を支援してもらい、RPAのスペシャリストとしての安心感がありました。今回のガイドラインは用途が異なりますが、開発を行う社内の一般ユーザーの視点に立ち、私たちでは気付けない提案が随所に見られました。BBSの提案でいつも感じるのは、まずニュートラルな立場からゴールを見据え、そこで見えてきた最適な視点から提案してもらえることです。このアプローチには、いつも感心しています。今回の取り組みを通じて、業務効率化に向けた社内のコミュニケーションが活性化しています。当社は、DXを積極的に推進していますので、今後もRPAに限らず相談する機会が増えてくると思います。その時は、いつもどおりのアプローチで的確な提案を期待しています。
IT本部 プロセス・IT部 アプリケーション戦略グループ グループリーダー 伊藤 栄紀 様
丁寧なヒアリングとスピーディな対応を評価
BBSの提案は、策定のプロセスから内容まで詳細につくり込まれており、「これならできる」と確信できるものでした。プロジェクト開始後印象に残っているのは、各部門の考えを個別のミーティングで丁寧に把握してくれたことです。IT統制を維持しながらEUDの範囲を最大化できた要因は、この姿勢にあったと感じています。また、策定過程で一度に多くの検討課題を提示したことがありましたが、すぐに検討して、新たな解決策を提案してくれました。こうしたスピードと対応力も評価しています。ガイドラインの完成を機に、運用説明会を開催し、社員同士が情報共有できる社内サイトも整備しました。ガイドラインの策定でEUDが進み、半年で約300時間の業務効率化が実現したのは、まさにBBSのおかげだと考えています。
IT本部 プロセス・IT部 アプリケーション戦略グループ 主査 落合 寛彰 様