サステナビリティ開示基準導入支援
2025年8月29日にSSBJ事務局より公表されたSSBJハンドブック「気候レジリエンス(1)気候レジリエンスの開示」について文書の概要と実務対応を解説します。
気候関連開示基準はシナリオ分析に基づき気候レジリエンスを評価しなければならないとしており、実施したシナリオ分析の「手法」及び「実施時期」とともに「期末日の評価」を開示することを要求しています。また、シナリオ分析は戦略計画サイクルに沿った更新が求められていますが、報告期間ごとに実施する必要はないとされています(気候レジリエンスの評価は報告期間ごとの実施が必要)。これについて、本件SSBJハンドブックは「気候レジリエンスの評価」と「シナリオ分析」の関係を示すとともに「シナリオ分析の実施時期」について解説を提供しています。
(用語の振り返り)
| 気候レジリエンス | |
|---|---|
| 気候関連の変化、進展又は不確実性に対応する企業の能力(戦略上及び事業上の双方) | |
| 気候関連の変化 | |
| 広範囲にわたる山火事をはじめ気候変動から直接生じる事象又は変化等 | |
| 気候関連の進展 | |
| 特定の化石燃料の使用に対する規制(制限、対応)及び人口動態の変化をはじめとしたマクロ経済要因等 | |
| 気候関連の不確実性 | |
| 山火事の広範性又は規制の厳格性に関する仮定、気候関連の変化及び気候関連の進展に関する信頼度等 |
前述のとおり、シナリオ分析は戦略計画のサイクルに従い更新することが求められていますが、本件SSBJハンドブックは当該計画のサイクルに中期経営計画の策定期間が含まれることを明らかにしています。この点、SSBJハンドブックは「中期経営計画を3年ごとに策定している場合、2年前にシナリオ分析を実施しているときは、前年度及び当年度においてシナリオ分析の実施は必ずしも必要ない」と記載していますが、少なくとも新規の中期経営が策定される年度にはシナリオ分析の見直しを行うと理解しておいた方が実務的です。なお、新たな規制の導入や企業が影響を受ける大規模自然災害をはじめシナリオ分析の前提となる状況に重要な変化が生じた場合には中期経営計画の策定時期にかかわらずシナリオ分析の見直しを行うべきと考えられます。
本コラムはシナリオ分析に着目して実務上の影響を述べましたが、レジリエンスの評価の観点からは気候以外のレジリエンスとも実務上の留意点を共有しているため、以下コラムの「2.実務影響 レジリエンスの評価」も併せて確認することをお勧めします。
サステナビリティ情報開示:SSBJハンドブックの概要と実務上の影響(2025年8月)―気候以外のレジリエンスの開示―※当コラムの内容は私見であり、BBSの公式見解ではありません。
サステナビリティ情報開示:SSBJハンドブックの概要と実務上の影響(2025年8月)―気候レジリエンスとその他のレジリエンスの違い―
サステナビリティ情報開示:SSBJハンドブックの概要と実務上の影響(2025年8月)―気候以外のレジリエンスの開示―
サステナビリティ情報開示:SSBJハンドブックの概要と実務上の影響(2025年8月)―移行計画と主要な仮定―
サステナビリティ情報開示:SSBJハンドブックの概要と実務上の影響(2025年8月)―リスク・機会と戦略・意思決定の関係―
サステナビリティ情報開示:SSBJハンドブックの概要と実務上の影響(2025年8月)―重要性の判断―