今、中間点で ―業績評価目標と進捗の確認を―

人事部門の皆様、お疲れ様です。期初(4月~6月)の繁忙期を無事乗り越えられましたでしょうか。新人研修・配属、昇降格、給与改定、賞与支給、そして株主総会の支援など、大変お疲れ様でした。

さて、そうしているうちに上期も半分が過ぎ、上期/下期の半年を評価期間としている場合、すでにその半分が過ぎたことになります。その評価に用いる社員の目標管理については、多くの企業で期初に目標設定をして、期末にそれを評価されていると思います。今回は、人事部門の皆様のお仕事を増やす話になるかもしれませんが、従来の期初・期末の目標設定・評価面談に加え、「中間面談」を制度化してはどうでしょうか、というご提案です。

労務行政研究所のレポートによると、オンライン専業の生命保険会社や大手総合化学会社では、両社とも評価期間は1年間ということですが、この間の急速な環境変化などに対応するため、半年経過後に中間面談を行うことを制度化しています。加えて、原則として毎月、「1 on 1(ワンオンワン)」ミーティングとして、上司が聞きたいことを部下に聞くのではなく、部下が上司に話したいことを話す面談を制度化しているそうです。

確かに、人の評価でも月次決算のように毎月、個人目標・実績を管理するやり方は理想的だと思います。しかし、これを実行するうえでは上司・部下、とりわけ部下が多い上司の方の負担が大き過ぎます。そこで、評価期間の中間で少なくとも1回、環境変化にともなう目標変更の要否や、目標の進捗状況などを確認する中間面談を制度化する、という動きが広がってきているものと思われます。

また、テレワークの定着で上司・部下のコミュニケーション機会が減っている状況を考えますと、この中間面談に加えて、隔月くらいのペースで「1 on 1」ミーティングを組み合わせるのが適切ではないかと思います。この1 on 1は、時間の確保、内容、進行などについて部下がイニシアチブを持って実施することから、上司の負担はそれほど大きくないと思われます。また、目標の進捗確認は必須のテーマではないにしても、話題に上る可能性は高く、中間面談の補足的役割を果たすことでしょう。

期首は人事部門の皆さんだけでなく、各部門のマネジャーの方も大変お忙しいと思います。例えば、ある企業では社員の業績目標のなかに「対前年比10%のコスト削減」という、一見定量的で明確な達成基準が設定されていましたが、実は前年のデータを取っていなかったため、評価の時に困った、という話もあります。

いざ評価する段になっても困らないようにという観点も含め、評価期間の中間点における目標と達成状況を確認する中間面談を全社的に取り入れてみてはいかがでしょうか?