人事コンサルタントのショートコラム
”70歳までの雇用確保制度” 人事部門に求められること
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- 70歳まで働く機会の確保を企業の努力義務とする改正高年齢者雇用安定法などの関連法が来春2021年4月から適用されます。当面は努力義務なので、企業によって取り組みが分かれる可能性がありますが、自分の勤務先がどのように改正法に対応するのか注意する必要があります。65歳までの改正高年齢者雇用安定法と同様に、やがて「努力義務」が「義務」になっていくと推測されます。
- 現行の改正高年齢者雇用安定法は、65歳までの雇用機会を確保できるように ①65歳まで定年を引き上げ ②65歳までの継続雇用制度の導入 ③定年制の廃止 のいずれかを実施することを義務付けています。厚生労働省の2019年集計結果では、①定年引上げが19%、②継続雇用が78%、③定年制の廃止が3% となっています。
- 来春の改正法では、①②の65歳を70歳まで延ばすことに加えて、④70歳まで継続的に業務委任契約を締結する制度の締結 ⑤70歳まで継続的に事業主が自ら実施する社会貢献事業などに従事できる制度という、企業の外で働き続けることを会社が支援する選択肢を2つ用意した点が目新しいと言えます。現時点で、中小企業は多い順に②56% ④17% という判断をしています(日本商工会議所・東京商工会議所の9月調査、中小企業6007社が対象、複数回答)。
- ここで視点を変えて、社員の立場になって考えてみると、50代後半の役職定年、65歳までの雇用延長、それが(選択によりますが)70歳まで延長となる訳です。役職定年から70歳までは10数年の期間になります。また、高齢になると、モチベーション、体力、経済的な必要性等々の個人差が大きくなります。
- 人事部門は、階層別研修として、新入社員研修、中堅社員研修、管理職研修などを実施していると推測しますが、40代50代の階層への研修は薄くなる傾向があり、60代の雇用延長社員への研修を実施している企業は多くはないのではないでしょうか。
- 社員の働き方はますます多様化していきます。人事部門は、これまでの階層別の施策をより細やかにするとともに、社員個々への視点を加え、特に高齢社員に対して現場とともに役割の明確化、モチベーションの向上などに主体的に取り組む役割が求められると思われます。現場の「ビジネスパートナー」といったイメージです。経営陣、部門長、人事部門でしっかりと議論することが必要です。
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