人的資本経営支援サービス
企業の成長や組織の活性化をめざして年功序列から実力主義へと転換する動きが広がっています。先月、ある地方銀行は最短でも40歳でなければ就任できなかった支店長に27歳で昇進できる制度を導入すると発表しました。また、ある大手都市銀行では、20代でも責任の重い役職に就くことで年収2,000万円に達する制度を来年1月に導入する予定とのことです。さらに、ある総合商社ではすでに最短30歳で本社の部長級まで昇進できる制度が施行されています。
このように若手社員を要職に登用することは、本人の成長・モチベーション向上に大きなプラスとなり、組織にとっても活性化につながり、大変良いことです。一方で気になるのは、「若手が管理職になりたくない問題」です。制度はつくったものの応募者が現れなければ、意味がありません。今回は、「若手の登用を促進するために、どうすれば良いか」について考えてみたいと思います。
「若手が管理職になりたくない問題」は深刻です。ある人材開発会社が実施した「管理職の実態に関するアンケート調査」(2023年)によれば、「管理職になりたくない」と答えた一般社員の割合は77.3%に上っています。その理由について、ある転職エージェントが実施した「キャリア観や転職に関するアンケート」によると、「責任やストレスを感じることが増えそうだから」(59.3%)、「実務的な業務から離れたくないから」(47.5%)、「業務や残業が増えそうだから」(39.0%)の順となっており、まとめると「管理職の負荷の高い仕事」が主な理由のようです。しかし、支店長、部長、高い年収の重要な役職は、おそらく「負荷の高い仕事」という側面は必ずあるはずなので、このような状況のなかで若手の登用を現実のものとしていくためには、若手を登用しやすい制度制定に加え、利用しやすくする施策も併せて実施することが不可欠です。
「管理職の負荷の高い仕事」は、今まで40代以上の経験豊富な社員が担ってきました。これを若手社員に担当させるには、何らかの工夫が必要です。私は、登用されるポジションの仕事について、(1)責任を軽くする、(2)管理しやすい大きさに分ける、そして、(3)能力開発の支援を充実させる、という3つの施策が必要であると考えます。
これらの工夫は、やや、やり過ぎでしょうか?
若手の登用の継続的実施を最優先に考えるとすれば、最初に登用された若手社員が生き生きと働いている姿を次の世代に見せ、手を挙げてもらうようにすることが効果的です。また、この手法は女性管理職の登用にもあてはまると思います。年齢や性別にかかわらず、ヤル気のある社員がどんどん手を挙げる、そんな活性化した企業がたくさん現れることを期待しています。
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