現場主導でRPAを始めた企業が最初に躓くポイント(兼務の罠編)

現場主導でRPAツールを導入する企業が増えています。業務をよく知る現場担当者が自ら自動化に取り組むのは、意思決定が早く、成果も見えやすい進め方です。一方で、RPAを開発する場合、担当者はメインの業務がほかにあり、RPA開発はサブの業務である場合が多いです。「最初は活発だった活動が、いつの間にか停滞していた」といった声も少なくありません。
こうした停滞は、担当者のスキルや意欲の問題ではなく、進め方の前提に原因があるケースがあります。本コラムでは、兼務でRPA開発を進める際に起こりやすい問題と、その対策としての「プロジェクトとして管理する」という考え方について整理します。

兼務ならではの問題

RPAの開発を兼務で行う場合、多くの担当者はメインの業務を優先してしまいます。そのため、RPA開発はどうしても「空いた時間でやる業務」になりがちです。着手直後は改善効果が見えやすく、モチベーションも高いため一定のスピードで進むこともあります。
しかし、メイン業務の業務量が増えたり、突発的な対応が求められたりすると、RPA開発は後回しにされやすくなります。
とくにメイン業務の繁忙期に入ると、RPA開発にまとまった時間を確保できなくなり、作業全体が一時的に止まってしまうケースも少なくありません。再開したとしても、時間に追われるなかで開発を行うため、十分な検討や確認ができないまま作業が進んでしまうことがあります。このように、開発が断続的になると、設計の意図が曖昧になったり、確認が簡略化されたりしやすく、結果として開発スピードや品質が安定しなくなります。
こうした状況を回避する手段として、プロジェクト管理を提案します。

問題への対策:プロジェクト管理の実施

1.定例会の開催

こうした兼務ならではの問題に対して有効な考え方の一つが、RPA開発を「個人作業」ではなく「プロジェクト」として位置付けることです。プロジェクト化といっても、大掛かりな体制や厳密な管理を求めるものではありません。重要なのは、RPA開発を「空いた時間でやるのではない業務」として扱うことです。
具体的には、進捗を確認する定例会を設けることで期日と優先度を明確にします。これにより、RPA開発が「空いた時間でやる業務」ではなく、本業と並ぶ業務として認識されるようになります。

2.上司の理解

兼務担当者の上司の理解を得ることも欠かせません。上司がRPA開発の目的や重要性を把握していれば、メイン業務との両立がしやすくなります。
さらに、担当者が困った時に上司が積極的に関わることで、担当者が1人ですべてを背負わなくてもいい状況にします。

以上のようなプロジェクトとしての枠組みを設けることで、兼務という制約があるなかでも、RPA開発を継続的に進めやすくなります。

兼務環境でもRPA施策を前に進め続けるために

兼務という制約のある環境で、RPA開発を個人に任せたままでは停滞しやすくなります。だからこそ、RPA開発をプロジェクトとして管理し、作業時間の確保や期日設定を明確にすることが重要です。プロジェクト管理は、兼務環境でも開発を前に進め続けるための手段です。