システム導入支援(業務プロセス改革支援)
私はBBSに入社以来、公認会計士としてスクラッチ開発型やERP・パッケージソフト導入型の会計システム導入プロジェクトを担当しており、その実務経験を踏まえて本コラムを執筆しています。
現在はスクラッチ開発による会計システム導入プロジェクトの開発(プログラミング)フェーズに従事しており、プロジェクト立ち上げ当初は数名だった体制も、今では100名近い規模に拡大しています。
このような規模になると、当社社員のみで体制を構築することは難しくなり、設計・開発作業の一部を協力会社に委託しながらプロジェクトを進めています。
読者の皆様のなかにはご認識の方もいらっしゃるかもしれませんが、会計システムの設計・開発に関与する協力会社の担当者に求められるのは、システムの設計やプログラミング、テストなどの能力であり、必ずしも会計実務の経験や簿記の知識が求められるわけではありません。そのため会計特有の用語や処理内容の理解に時間を要するケースが見受けられるのが実状です。
このような状況下において、公認会計士である私が設計・開発を進めるうえで重要だと考えているのは、開発対象となる会計システムの機能の内容を、会計の知識がない設計者・開発者にも正確に理解してもらうことです。
これが最終的に設計・開発する会計システムの品質確保につながると考えています。
そこで、理解を促すためにどのような工夫を行っているかというと、現在設計・開発しているシステムの機能の内容を、可能な限り日常生活の出来事に置き換えて説明するようにしています。
ここで、過去に行った「配賦処理」の説明を一例として紹介します。
「配賦処理」とは、一般的に「複数の部門や製品に共通して発生する費用(共通費)を、一定の基準に従って各部門や製品に割り当てる会計処理」を指します。
また、その手続きは主に次の4つのステップで構成されます。
しかし、「共通費」「配賦」といった専門用語で説明すると、会計の知識がない方にとっては内容が難解に感じられ、具体的にどのような処理なのかをイメージしにくくなると考えます。
そのため「配賦処理」を説明する際には、「懇親会における割り勘」といった身近な例えを用いることが有効であると考えました。「懇親会における割り勘」も、支払総額を参加者間で合意したルールに基づいて各参加者へ負担させるという点で、配賦処理と同じ考え方に基づいています。
実際の説明では、「懇親会における割り勘」の手順を、上記で説明した配賦処理の4つのステップに対応させて、以下のように整理して伝えました。
これは「懇親会における支払総額の確認」と置き換えて説明しました。
これは「懇親会における以下のような負担ルールの決定」と置き換えて説明しました。
これは「決定した負担ルールに基づく各参加者の会費の計算」と置き換えて説明しました。
これは「各参加者からの会費の徴収」と置き換えて説明しました。
このような説明を行うことで、会計の知識がない設計者や開発者(日本人か海外メンバーかを問わず)に対して、配賦処理のイメージを具体的に理解してもらうことができました。現在でも、こうした説明方法は有効であると考えています。
なお、同様の工夫として、過去には以下のような言い換えも用いて説明を行ってきました。
私の考えではありますが、会計・経理という業務領域は、20~30年前と比較すると一般教養として認知が広がってきたものの、依然として専門性の高い分野であると感じています。
とくに収益認識会計基準やリース会計基準など、近年の会計基準には従来と比べて判断や見積りを要する事項が多く含まれており、会計に馴染みのない方にとっては理解が難しい内容となっています。
このようななかで、会計の専門家として、会計処理や経理業務の本質を正しく理解することはもちろん、それらを会計業務・システムの関係者にわかりやすく伝えることは、業務改善の支援や会計システム設計・開発の支援を行ううえで非常に重要な役割であると考えています。
今後もその点を強く意識しながら、より高品質な会計システムの設計・開発および業務支援サービスの提供に努めてまいります。
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