評価制度の重要ポイント~目標設定期限は守られていますか~

人事評価制度にはいくつかの種類がありますが、最も多くの企業で実施されている中心的な仕組みが、個人(または組織)の目標を設定し、その達成度を測る目標管理制度です。
日本企業の約8割で導入されている一方、個々で異なる目標を評価することの難しさもあり、評価の公平性や納得性に悩まれている会社が多い制度でもあります。

評価制度の運用を取り仕切る人事部では、公平・公正な評価や納得性向上の実現のために、評価基準の明確化や評価者の評価スキル向上、評価の甘辛の調整といった課題を掲げているところも多いですが、それらと並んで重要なのは、適切な目標設定です。

そもそも目標管理制度の主な目的や効果は、経営ビジョン・目標の共有や、社員の能力開発・人財育成、社員のモチベーション向上です。
個人の目標が会社の方針や目標と関連しているか、プロセスに落とし込める具体的で明確な目標か、能力開発につながる適切な難易度かなど、意欲を持って取り組める内容やレベルになっているかがポイントとなります。

そしてもう一つ、非常に重要なのが目標設定の時期です。
人事部から目標設定の期限は案内されていても、期初の忙しさに追われ、ついつい後回しになってしまうことがあります。
なかには、給与改定や賞与などに影響を与える「評価」の提出期限は守っていても、最終的に評価の提出時にすべて記入してあればいいからと、評価のタイミングで目標を記入している人(職場)もいるかもしれません。

しかしそれでは、個々の社員が自律的に取り組むための指針とはなり得ません。
能力開発・人財育成やモチベーションアップのためには、まず期初に、達成しようという意欲を引き出す目標を立てることが大切です。適切な時期に、適切な目標を立てること。
目標管理制度の最重要ポイントは、目標設定にあると言っても過言ではありません。

自社の目標管理制度は、社員の意欲を引き出せる仕組みになっているか、運用のタイミングも含めてきちんとルール化されているか、そしてルールどおりに運用されているか、新年度の目標設定を始める前に、確認してみましょう。