新入社員の離職を防ぐには

多くの会社が新入社員を迎え入れる時期となりました。皆様の会社の受け入れの準備は順調に進んでいるでしょうか?
2024年卒の学生の企業選びの傾向には大きな変化が見られます。
(株)リクルートマネジメントソリューションズが2023年11月に発表した「2024年新卒採用 大学生の就職活動に関する調査」の結果によりますと、内定受諾の最終的な決め手が、「社員や社風が魅力的」から「自分のやりたい仕事ができる」に変わってきています。また、「企業の強みが明確」「経営方針・戦略が魅力的」といった企業自体の特長から、「育成に力を入れている」「入社後のキャリアをイメージできる」というように、自身の成長にフォーカスした決め手が増加傾向にあります。
人手不足が続くなか、企業には、今後いっそうの新卒採用での競争力強化が求められますが、その鍵は新卒社員自身がキャリアを描くことができ、成長できるかにありそうです。
そこで新入社員を育成し、定着化させるポイントを考えてみました。

1つ目は、成長のための自律的なサイクルをつくり出すことです。
入社時に評価制度の説明を行う企業は多いと思いますが、運用自体は早くても半年後、2年目からという企業も多いと思います。評価制度は、目標設定や自己評価を通じて、求められている役割を意識し、自身の成長を実感することのできる仕組みです。したがって、配属後すぐに、上司との面談を通じて役割や期待する成長を伝え、自律的な成長を促すサイクルをつくり出すことが重要です。

2つ目は、人間関係の構築です。
新入社員が悩みを抱え離職する大きな理由の一つは職場での人間関係となります。入社後一定期間、集合研修を行う企業は多いですが、配属後の人間関係構築までフォローできている企業は少ないと感じます。配属部署において、OJTトレーナーを明確化し、「教える・任せる・フォローする」という組織的・計画的な育成を進めることが、同時に職場での人間関係や信頼関係の構築につながります。

最後に3つ目は、成長の結果を評価し、賃金や処遇に反映することです。
自身の成長が昇格や給与改定に連動していることを実感することで、入社した企業が自身のキャリア実現のためのステージだという意識を強めることにつながります。
大卒求人倍率はコロナ禍でいったん1.5まで低下しましたが、増加に転じ、1.71まで企業の採用意欲は回復しています。新入社員の獲得競争は過熱し、初任給を引き上げる企業が増えていますが、新入社員の離職率は依然として高く、3年で3割以上が離職する状況が続いています。自身が仕事のなかで成長を実感できなければ、新入社員の定着はいつまでも難しいままでしょう。
採用面接時に「貴社の評価制度や昇進の仕組みを教えてください」といった質問が学生から増えてきているという話を聞きます。新卒の採用、そして定着化という側面からも、自社の評価制度を確認してみてはいかがでしょうか。