大転職時代におけるオンボーディングの重要性

現在、多くの企業が人手不足や採用難に直面していますが、とくに新卒採用は難しい状況です。
また、せっかく採用した新卒新入社員も、3年以内に3割が離職するといわれています。厚生労働省の調査結果によると、2021年3月に大学を卒業した新入社員の3年以内離職率は34.9%で、過去15年で最も高い数値となったそうです。

こうした状況のなか、若手人財の確保策として、新卒入社から数年以内に離職した第二新卒の採用が急拡大しています。
ここで重要になってくるのは、採用した社員の定着・育成ですが、新卒入社者に対しては手厚い受け入れ態勢を採っている企業でも、中途入社の社員に関しては配属先任せという会社も多いのではないでしょうか。
第二新卒者はビジネスマナーや基礎スキルを習得済みということもあり、人事部が行う入社時研修も少なく、入社後のフォロー体制は手薄になりがちです。

そうしたなかで短期離職の防止や早期戦力化を図っていくためには、単なる入社時研修ではなく、オンボーディングという観点での施策が重要になってきます。

オンボーディングとは、中途採用者も含めた新入社員を早期に職場に順応させ、戦力化するための施策やプロセスのことです。基本的事項を伝える入社時研修とは異なり、配属先や人事部など広範囲の社員が継続的に関わることが特徴です。

オンボーディングを考えるうえで重要なポイントは3つあります。

  1. 人事部が主導しつつ、人事部だけ/配属先だけではない、全社的な取り組みにすること
  2. 定期的・継続的なフォロー体制を組むこと
  3. 本人だけでなく、配属先のトレーナー側の育成も行うこと

離職理由として、どんな調査でも必ず上位に挙がるのは、上司・同僚との人間関係や職場のコミュニケーション不全です。オンボーディングを通して、職場のコミュニケーションを促すだけでなく、何かあった時に配属先以外に気軽に相談できる相手をつくっておくことも大切です。
また、入社前から人事担当者と十分なコミュニケーションを取っていた社員は早期に活躍し始めるといった調査結果もあります。
人事部との信頼関係を築いておくことや社内に広いつながりを持つことは、離職防止だけでなく、新入社員の早期活躍にもつながります。
採用活動の強化とともに、採用した社員のオンボーディング施策もぜひご検討ください。