弊社は会計領域を中心にSAP導入コンサルのサービスを提供しており、プロジェクト推進にお困りの企業やベンダーからご相談をいただくケースも多いです。そして経理部門の方からよく伺うのが、以下のようなお話です。
こうした話は、初めてSAPを導入されるお客様だけでなく、既存SAPユーザーのお客様からもお聞きします。
近年はS/4HANAへの移行を図る既存SAPユーザーの企業も多くいらっしゃいますが、移行に際して大幅な機能刷新を図る場合(例えば昨今主流の“Fit to Standard”(※)を徹底する場合など)は、同様のことが起きるようです。
つまりプロジェクトの主体が誰であれ、また初であるか否かにかかわらず、一度開始されるとユーザー部門に相応の負荷と責任がかかり、情シス部門やベンダーに任せきりにできない状況になる、というのが多くのSAP導入プロジェクトの実情です。
(※)業務をSAP標準機能に可能な限り合わせる導入手法
この「任せきりにできない」には大きく2つの意味が込められています。
(1)ユーザー部門でないとできないタスクがあるため、任せたくても自らやらざるを得ない
(2)システム稼働後に苦労しないためにも、任せきりにすべきではない
(1)は業務要件の決定、ユーザー受入テスト、ユーザー部門としての意思決定などです。
詳細は次回以降で触れますが、いずれもプロジェクトの成功を左右する重要な要素です。
ここで「忙しいし、わからないから」と、業務として必要な要件を明確に伝えなかったり、情シス部門やベンダーからの進捗報告を鵜呑みにしたりしていると、上述(2)のとおりシステム稼働後に苦労する結果となります。
例えばSAP-FIモジュールの例でいいますと、
・・・などです。実際に弊社の経験では、安定稼働を迎えたSAP導入プロジェクトの共通点として、「ユーザー部門が主体的に関与し、業務要件をはじめプロジェクトを適切にコントロールしたこと」が挙げられます。
それほどにSAP導入におけるユーザー部門の関わりは重要なポイントなのです。
その一方、正面からプロジェクト作業に向き合おうとすると、多くのケースではユーザーの時間が取れない、またはシステムのことはわからないといった理由から苦戦されます。それが冒頭のお客様の声につながるわけです。
次回は、ユーザー部門の方にとって第一関門ともいえる、要件定義について紹介したいと思います。
弊社はSAP導入プロジェクトにおける経理部門支援の実績も多数ございます。
お困りの際はお問い合わせください。
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