人的資本経営診断サービス
長期雇用慣行の変化、転職市場の活性化、働き方の多様化を背景に、個人がキャリアの主役になる時代への変化が加速しています。多くの企業がキャリア自律に取り組み始めていますが、支援を「推進している」ことと、実際に「機能している」ことは、全く別の話です。
「学習コンテンツを整備したら、むしろ転職者が増えた」「採用メッセージや人的資本開示のための、形式的な施策になってしまっている」――こうした悩みを持つ人事担当者や経営層の方は少なくないでしょう。この2つの悩みには、共通する原因があります。キャリア自律の「目的」が、社内に向いていないことです。学習の中身が自社の成長と紐付いていなければ、転職を支援する仕組みとなり得る。対外発信や開示を目的にした施策は、社員には「形だけ」という印象を与える。これを、「外部向け」のキャリア自律と定義しましょう。
一方で、内部向けのキャリア自律とは、「社員が自社内でキャリアを描くイメージを持てる状態をつくる」ことです。制度をつくることが目的ではなく、社員が「自分はこうなりたい」というイメージと、そこに向かうためのステップを鮮明に思い描ける環境を整えることが目的です。そのためには、3つの観点での整備が必要になります。
キャリア自律の出発点は、選択肢の「見える化」にあります。自社で求められる人的資本(スキル・能力・資格)の定義、他部門の仕事内容とそこで得られる経験の明示、他部門の仕事に必要なスキルの提示――これらが揃って初めて、社員は「自分がどこへ行けるか」をイメージできます。
情報が整った先に必要なのは、実際に動ける環境です。学習に使う時間の確保と、自社の成長に直結する学習コンテンツの提供。個人の希望による異動やチャレンジを実現する制度。この3つが揃うことで、「見える」が「動ける」に変わります。
制度があっても、普段の業務が特定の個人に依存した状態では誰も動けません。個人に依存しないオペレーションの整備は、キャリア自律を機能させるすべての土台になります。

重要なのは、時間を掛けてでも、この3つを的確に整備して、キャリア自律に取り組むことです。自社内での選択肢が見えるようになることで、理想のキャリアを実現するためのスキルや経験を自社内で獲得するイメージが沸き、「行動したい」という意欲が生まれる環境となります。これが、内部向けに「機能する」キャリア自律を実現する一番の近道です。
ぜひ、あなたの会社のキャリア自律を、この3つの問いで再整理してはいかがでしょうか。
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