進化するERP、今こそ押さえたいテストの要点――次世代ERP編

近年、ERPは一つのシステムですべてをまかなうのではなく、コアとなるシステムに外部パッケージソフトやツールを組み合わせて活用する形が広がってきています。消込機能やワークフロー機能の補完、ERP上での開発を切り出すことが目的です。こうした形は「次世代ERP」と呼ばれ、導入形態の一つとして認識されるようになりました。
※以降、既存の周辺システムを「周辺システム」、ERPの機能を補完するシステムを「外部パッケージ」と定義します。

次世代ERPは、ERPのコア部分に手を加えないこと(クリーンコア)で、導入をスムーズに進められると紹介されることが多くあります。

それでは、テストについてはどうでしょうか。次世代ERPによって楽になるのでしょうか。
筆者の実際のプロジェクト経験をもとに、各テスト工程において「何が変わるのか/変わらないのか」を整理し、表にまとめてみました。その結果見えてきたのは、「一部変わる点はあるものの、結局は従来とあまり変わらない」ということです。

ERP製品は進化している一方で、テストで押さえるべき本質は大きく変わっていない――これが現場感覚でとしての結論です。本連載では次回以降、こうした背景も踏まえながら、改めて各テスト工程におけるポイントや陥りがちなNGパターンについて解説していきます。

テスト名 次世代ERPで変わる点/変わらない点
1.単体テスト
■変わる点
  • ERP自体のテスト対象は減少
  • ERPから切り出した機能の検証が必要
■変わらない点
  • 実装する先がどのシステムでも開発機能のテストが必要
2.結合テスト
■変わる点
  • 外部パッケージソフト・ツールを連携させることによるテストの難易度が上昇
  • ベンダー調整が必要
■変わらない点
  • ERPが生成し、周辺システムに連携するマスタやトランザクションデータの品質担保が必要
3.総合テスト 本質的には変わらない。
強いえていえば、従来はERPの機能として結合テストで検証しきれたものが、外部パッケージに置き換えることでマルチベンダー対応が必要となり、総合テストで初めて各機能を統合するという事態が起こりがち。
4.ユーザー受入テスト 本質的には変わらない。
しかし、マルチベンダー対応の場合はユーザーのコミュニケーション負荷が高くなりがち。
テスト名 次世代ERPで変わる点/変わらない点
1.単体テスト
■変わる点
  • ERP自体のテスト対象は減少
  • ERPから切り出した機能の検証が必要
■変わらない点
  • 実装する先がどのシステムでも開発機能のテストが必要
2.結合テスト
■変わる点
  • 外部パッケージソフト・ツールを連携させることによるテストの難易度が上昇
  • ベンダー調整が必要
■変わらない点
  • ERPが生成し、周辺システムに連携するマスタやトランザクションデータの品質担保が必要
3.総合テスト 本質的には変わらない。
強いえていえば、従来はERPの機能として結合テストで検証しきれたものが、周辺システムに置き換えることでマルチベンダー対応が必要となり、総合テストで初めて各機能を統合するという事態が起こりがち。
4.ユーザー受入テスト 本質的には変わらない。
しかし、マルチベンダー対応の場合はユーザーのコミュニケーション負荷が高くなりがち。

BBSでは、SAP FIモジュールの導入をはじめ、テスト工程の改善やプロジェクト管理の強化を支援しています。また、会計システム導入でお悩みの経理部門や情報システム部門の方のご相談も承っております。
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著者:川島 靖大、黒木 仁