DXとBPO ~DXの“X”「企業変革」を実現するBPO~

今回は、財務経理部門や人事部門などバックオフィスにおけるDXとBPOについて、考えを述べさせていただきます。人財不足や経験者の高齢化など、待ったなしで迫るバックオフィスの“業務継続問題”。「DXを進めた今、真の変革に向け、次の一歩を検討したい」という方、あるいは「DXも進めなければならないが、BPOも検討したい」という方にはヒントになると思います。ぜひお読みください。

1.DXの本質

言うまでもありませんが、DXとは“Digital Transformation”です。ERPの導入・刷新といった大規模なものから、AI-OCRやRPAの導入、最近ではChatGPTの活用など、デジタル化ばかりに目をとられますが、DXの本質はDigital(システム・ツール)の方ではなく、Transformation(変革)です。システムやツールの導入によって、個別作業の生産性は向上したものの、仕事のやり方の根本は変わらず、これをDX化と呼んで良いのか、と迷っておられる方も少なくないのではないでしょうか。

2.現場の「たくみ(匠)」を「しくみ(仕組み)」化する。

「パーパス経営」(名和高司氏著・東洋経済)に次のような記載があります。「デジタルはツールでしかない。そのツールを生かすも殺すも、業務フローや仕事の仕方、経営手法そのものをいかに変革出来るかにかかっている。」と。また、名和氏は同著で「現場の『たくみ』を組織全体の『しくみ』に型化(アルゴリズム化)する知恵が不可欠である」とも述べています。「たくみ(匠)」の「しくみ(仕組み)」化。日本語ならではの、韻を踏んだうまい言い回しです。仕組み化された業務システムやツールをどう業務の変革や改革に活かしていくのか、これがポイントです。

3.DXの限界

DXを導入し、「たくみ」が「しくみ」化された後は、定形業務の省力化は進みます。ただ業務は“生き物”であり、つねに変わり続けます。DXを導入しても、作成した仕組みが変化に柔軟に対応しながら更新されない限り、最後は人による保守・メンテナンスが必要となります。DXはこの業務の変化に自動的には対応できません。たとえAIによる自動更新ができたとしても、バックオフィス業務に適用されるには、まだかなりの時間が掛かるでしょう。作成したデジタルツールは、組織の統廃合への対応や、新規ビジネスへの対応だけでなく、ちょっとしたエラー対応も人が保守・メンテナンスしなければ前に進まなくなります。
また、「しくみ」化された業務はブラックボックスになりがちです。これを防ぐには定期的なマニュアル更新や、継続的に理解者を育てていくことが大事です。人財不足で導入したDXツールではありますが、やはり最後は人が必要、そう思った方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

4.BPOという選択

そうしたなか、DX化により効率化された業務の運用をBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)化、つまり外部化するという選択肢は、解決策の一つになると考えます。BPO化することによって、不足工数の穴埋めしながら、または既存社員の余力を創出しながら、ブラックボックス化させることなく、業務を安定的に運用することが可能になります。BPOなら組織変化への対応や、エラーの対応も人が行います。またマニュアル更新といった、ブラックボックス化を防ぐ作業も、BPOなら人が行います。さらに、デジタル化することにより、ペーパーレスが進むと拠点に縛られなくなるため、オフサイトが前提となるBPO化はいっそう推進しやすくなります。BPOによって、社員が現場業務の運用から完全に解放され、お客様の業務運用に“真の変革”をもたらします。

5.BBSのDX&BPO

弊社では、DX化された業務をお引き受けするだけでなく、DX化される前の業務をお預かりし、お客様と一緒にツール化を推進・実装し、その後運用も行う、ということが可能です。昨年から、バックオフィスDXの完成形として、“手仕訳の全自動化”の実現に向けて試行錯誤を続けており、徐々に成果が出ています。DXの“X”「Transformation(企業変革)」の一つの選択肢としてのBPO。これこそがBBSがめざす一つのカタチでもあります。DXとBPO。前後はどちらでも構いません。真の業務変革の実現に向け、BPOの導入も、一度検討されてみてはいかがでしょうか。