役職任免ルールを整備し、マネージャーを社員にとっての「輝くキャリア」にしよう

「あなたの会社のマネージャーは、活き活きと働けていますか?」 管理職をめざしたいと回答する社員の割合が年々低下し、「管理職は罰ゲーム」などという言葉まで聞かれるようになりました。その背景には、優れたプレイヤーが必ずしも優れたマネージャーになれるとは限らないという、人事の構造的な問題があります。

ある研究によると、営業職として高い成果を上げた人ほど管理職に昇進しやすい一方で、昇進後の管理職としての成果は低い傾向があるという結果が示されています。いわゆる「ピーターの法則」――人は無能になる地位まで昇進する――が実データでも確認された形です。

多くの企業では、役職登用の基準に、現職での評価結果や上司の推薦が採用されています。そうすることで「がんばれば報われる」というインセンティブが機能します。しかしそうした基準だけでは、マネージャーとしての適性や本人のキャリア観が見落とされがちです。「現在の役割で優秀な人」であることも重要ですが、それに加えて「マネージャーとしての役割に適した人」が管理職を担う仕組みに変えていくことが、今、日本企業に求められています。

役職任免ルールの整備には、以下の5つのポイントがあります。

  1. マネジメントの役割を明確化する
    プレイヤーとして求められる役割とマネージャーとして求められる役割は本質的に異なります。「部下の育成・活用」「組織目標の達成」「コミュニケーションの促進」など、マネジメントに固有の役割を定義し、それをもって登用・評価の基準とすることが必要です。
  2. 登用基準にマネジメント適性と本人の意向を加える
    現職での評価結果や上司の推薦に加え、マネジメントへの適性検証や本人のキャリア観の確認を登用プロセスに組み込むことが重要です。管理職をめざしたいと思える環境を整えると同時に、望まない人を無理に登用しない仕組みが、結果として組織の力を高めます。
  3. 登用・任免基準を社員に公開する
    「どのような適性と意欲があれば役職に就けるのか」「役職にある間、何が評価されるのか」が見える化されることで、役職をめざすキャリアパスの魅力が増すと同時に、任命される側の納得感も高まります。
  4. 役職にふさわしい報酬・処遇を整備する
    マネージャーという役割の重さと責任に見合った報酬・処遇を保障することが、役職を「輝くキャリア」とするうえで欠かせません。プレイヤーとして優秀であった社員が管理職に就くことで収入面のメリットを実感できる仕組みとなっているか、改めて点検する必要があります。
  5. 役職登用後の交代ルールを整備する
    登用後に期待する役割が十分に果たせていない場合の交代基準や、本人の希望による役職変更のルールも明確にしておくことが重要です。交代ルールが整備されていなければ任免の仕組みは形骸化し、「ふさわしい人が役割を担っている」という信頼感も生まれません。あわせて、役職を外れた場合の処遇変更についてもルール化しておくことが必要です。

この5つのポイントを整備することで、「適性のある人が正しい役割を担っている」という信頼感が職場に生まれます。それは同時に、マネージャーという役割が「罰ゲーム」ではなく、自分の意志で選び、やりがいとともに報われるキャリアとして社員の目に映るようになることを意味します。役職任免ルールの整備こそが、マネージャーを「輝くキャリア」にするための基盤です。

私たちBBSは、G-SPECというコンセプトのもと、管理職の役割定義から登用・任免基準の整備、そしてマネジメントスキルの定着化まで、一貫した支援を行っています。「自社の管理職登用に明確な基準はあるか?」――この機会に改めて点検してみてはいかがでしょうか。